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  1. 2023東北大学前期試験 講評

2023東北大学前期試験 講評

お知らせ

東北大学の各教科の講評です。

 

是非ご覧ください!

 

 

英検準2級の解説動画https://youtu.be/3wRiP3QO9X4

英検 2級の解説動画https://youtu.be/NVIrK66tPfw

英語 東北大学前期試験2023 講評

あすなろ学院 遠藤 哲生

【総評】

昨年と比べ、難易度はさほど変わらず標準レベルであり、分量もさほど変わらなかった。長文読解問題を速く解き、作文に時間をかけることが重要である。試験時間は100分しかないのである。

 

1 AIの機械学習(評論文)(約1250語) 標準レベル

 問1 内容説明 下線部の具体例を3つ書く問題。下線部の直後を和訳すればよい。

         ingest(飲み込む)やstimuli(刺激、stimulusの複数形)などが難しいかもしれない。

 問2 英文和訳 下線部を和訳する問題。強調構文と分詞構文がわかればよい。

         conformity(整合性)やstraightforward(単純な)などが難しいかもしれない。

 問3 理由説明 下線部の理由を書く問題。下線部の直後を和訳すればよい。

 問4 内容一致 unsupervised learning(教師なし学習)に関するキーワードを選択する問題。

6つの中から3つ選ぶ。新傾向。

 問5 内容一致 本文の内容と一致する文を選択する問題。5つの中から2つ選ぶ。

 

2 男性美の多様化(評論文)(約1040語) 標準レベル

問1 文法正誤 4択。comfort(快適さ) and confident(自信がある)が名詞and形容詞なのでおかしい。

confident(自信がある)という形容詞をconfidence(自信)という名詞にしたい。新傾向。

問2 内容説明 下線部を具体的に説明する問題。文章全体をふまえる必要があるので、難しいかもしれない。

 問3 内容一致 4択。代名詞の内容を選択する問題。これは中学生でもできる

 問4 内容一致 4択。人に関する説明を選択する問題。これは中学生でもできる。

 問5 内容説明 下線部を具体的に説明する問題。下線部の直前をまとめればよい。

 問6 単語一致 4択で4問。(2)のequivalent(同等のもの)と一致するのはcounterpart(対応するもの)。

ちなみに、equality(同等であること)がひっかけ選択肢になっている。

 

3 アルバイトをすることの長所と短所(対話文)(英問英答) 標準レベル

 問1 空所補充 4択で4問。②のwind up~ing(結局~する)が難しいかもしれない。

 問2 自由作文 自分がやりたいアルバイトを表の中から1つ選んで理由を3つ英文で書く問題。80語以上。

         表の中にアルバイトの長所短所が書いてあるので書きやすい。

 

4 大学は何をするところなのか(評論文) 標準レベル

 問1 単語整序 10の単語から8つ選んで並べる問題。without having to ~ o r ~ の形にする。

 問2 条件作文 下線部を英訳する問題。not A but Bなどを使えば書きやすい。

問3 内容一致 4択。下線部の内容と一致する文を選択する問題。東北大学の熱いメッセージを感じる。

        「東北大学は、学生に、未知の答えにたどり着く方法を教えます。答えは教えません。」

【学習対策】

 長文の速読力を鍛える必要がある。まず、ASUウイングの速読聴講座でLevel4まで進んでおきたい。単語も動詞を中心にたくさん覚えてほしい。作文の対策としては、英検準2級や英検2級のライティングの練習がかなり役に立つだろう。必ず英語の先生の添削指導を受けよう。参考となる動画のQRコードを以下に示すので、是非見てほしい。

 

数学(文系) 東北大学前期試験2023 講評

あすなろ学院 森山 昇平

【総評】

 旧帝国大学の入試問題とは到底信じられないほど易しい.数学では他の受験生との差がつきそうにないだろう.今年度の数学の試験は「問題を解けた受験生を合格させる試験」ではなく,「問題を解けなかった受験生を不合格にする試験」の側面が強そうだ.たとえ数学がどれだけ苦手であろうと,1,2,3を完答することは必要条件である.

 

【大問別講評】

1 玉を取り出す確率(数学A)   易   ※文理共通問題

 「玉を取り出す各回において,白玉と赤玉の残り個数を慎重に整理する」ことが最重要であり,最も注意を払うポイントであった.(2)ではAの勝利が確定するのは1回目,3回目,5回目,7回目の4通りに限るのでそれぞれ確率を求めてから和をとればよい.確率の和をとる計算も,普段から何気ない計算にも工夫をする習慣をつけてきた者は,ある意味ずる賢くラクに計算できる.

 

2 円に関する平面幾何(中3数学)   易

 「問題文で指示されている図形や点を正確に描く」ことができたかどうかが勝敗を分ける.結局のところ,要求されているのは「十分な日本語の読解力」であって,数学の題材自体は何でもよいのかもしれない.「MとNはLOについて対称な位置にある」ことは,対称性から見抜いてほしい.中学数学で学習する平面幾何の諸定理を総動員するだけでよいので,平面幾何の学習を終えた中学3年生なら十分に完答できる.新高校1年生には是非とも取り組んでもらいたい.東北大学を志望する自信がつくことだろう.

 

3 軸と定義域の両方が動く2次関数の最大・最小(数学Ⅰ)   易

 旧帝国大学の受験生ならば,「最小値の最小値問題」に取り組んだことがない者はいまい.高3前期カリキュラム

の位置関係を慎重に議論できれば完答できるはず.それらの位置関係を議論するには, 軸に対するそれぞれのグラフを描けばわかりやすいだろうか.

 

4 放物線の接線・線分の通過領域の求積(数学Ⅱ)   標準

 「線分PQの通過領域を図示するために,点Qの描く軌跡を図示しよう」と考えることが最重要.とにかく描いてみなければ何も分からない.線分PQの通過領域さえ図示できれば,後は平面幾何の問題に帰着する.関数の方程式が与えられているからといって,「何でもかんでも定積分を実行して求積する」という態度では計算が重苦しい.三角形や平行四辺形など単純な図形に分割・変形したり,いわゆる「6分の1公式」を使ったりなど,「定積分の実行」以外の方法で要領よく求積する訓練を積んでいることは大事かもしれない.

 

【学習対策】

近年の東北大文系数学は,ほとんどが典型問題で構成されることが多い.まずは教科書の各単元について正確な理解と記憶を心がけること.「正確な理解と記憶」というのは,例えば「定義を大切にし,定理(公式)を導出できるようになる」ことや「典型問題の解法の理屈や根拠を理解し記憶する」ことなどを言う.その上で,まずは「網羅系参考書の例題を,解法の丸暗記ではなく,難なく解けるレベル」を目指すことになる.例年のことではあるが,結局この部分を成し遂げた者と成し遂げられなかった者とで大きな差がつく.高々参考書の1冊や2冊を仕上げられない者が,憧れだけで「東北大学に行きたい」などと言うのは恥ずかしいことであると気付いて欲しい.また,出題傾向についてはあくまで参考程度に捉えておいたほうが良いだろう.難関国公立大を志望する者の心構えとして,出題範囲のあらゆる部分から出題されても良いように周到な準備をしておくことを望みたい.

数学(理系) 東北大学前期試験2023 講評

あすなろ学院 澤田恒一

【総評】

難化した昨年と比較して易化した. 見た瞬間に解法がわかるような典型問題もあり, 部分点を取りやすいセットであった. あすなろ学院の方針を守り, 網羅系参考書を地道に勉強しASU-visionで先取り学習を進めていた者がもっとも報われる問題構成だったといえる. 困難があったとすれば, 4(2), 6(2)くらいであろうか. 複素数平面は現役生が苦手としがちな単元の1つである. 面積の計算は, 多少の工夫はできるものの基本的には計算力が物をいう. 領域図示と定積分の立式に至った受験生は理系の腕力(計算力)を見せる絶好の場面であっただろうが現実問題としては厳しかったはずだ. 出題分野は確率・三角関数・極限・数列・複素数平面・空間ベクトル・微分積分などであり, 数A・数Ⅱ・数B・数Ⅲからの出題であった. 数Ⅰは出題されていないのではなく, そこで学んだ内容がすべての土台となっている, と考えるべきだろう.

 

1 確率 (数学A) 易 ※文理共通問題

 袋から玉を取り出す問題. ルールもわかりやすく迷うところはないだろう.

工夫のしようもほぼないが, (2)の場合をどう数えるかで多少計算量が変わるくらいか.

2 三角関数の方程式と極限(はさみうちの原理) (数学Ⅱ・Ⅲ) 標準

(1)は3倍角公式でも和→積変換でもお好きなほうで. (2)も結局は「はさみうちの原理」に帰着させることはすぐに見えるだろう. 見えたとすれば, あとは「どうはさむか」を考えるだけである.

3 数列(漸化式の変形・和の計算・部分分数分解) (数学B) 易

(1)は経験があれば両辺へn+1を掛けることに気付けるはず.  漸化式の係数と数列番号との関係, カタマリで1つの数列と見ること, に慣れておきたい. 階差型であることがわかってからの処理は経験があるだろう. (2)はもっとも簡単な部分分数分解の計算であり手が止まるところはない.

4 複素数平面(ド・モアブルの定理) (数学Ⅲ) 標準

(1)は何も考えずに多項式の割り算を実行しても示せる. αの式をうまく使って計算量を減らしたい. (2)は差がつく問題であっただろう. 「認めて使用してよい」とある式をどう使うか, を考えることになるが, 円分多項式の知識や, それに関する類題の経験があれば有利に働いたかもしれない. 2023乗のような大きな指数の場合, そのほとんどが見掛け倒し(その数でなくてはいけないという必然性がない)であり, 「周期性」により小さな指数まで落として処理するのは定石である.

5 空間ベクトル(垂直⇔内積=0 平行→実数倍の利用) (数学B) 易

典型問題中の典型問題. そこはかとなくセンタ試験の香りがする…と思った人も多いだろう. これは落とせない.
ベクトルを利用することの意義の1つは, 図形問題を計算で処理できること, である. ベクトルの基本量(大きさ・内積)を手に入れたら, あとはひたすら計算するのみ.

6 微分・積分(接線の方程式・直線の通過領域・面積) (数学Ⅲ) 難

(1)は基本問題で落とせない. 一方(2)は難しい. かなり精密な図示が要求されるが, フリーハンドで書くのは厳しい.おそらくこの図示の段階で諦めた受験生も多かったのではないだろうか. 仮に図示できたとしても面積計算でまた手が止まるだろう. 「面積の移植手術」(定積分1/6公式を勉強したときに, 見たり聞いたりしたことがあるかもしれない)をして計算量を減らす工夫が考えられるが, 正しい答えに辿りつけた受験生は少なかったはずだ.

 

【学習対策】

問題を解き, 答えが合っていた・合っていなかった, 答えが合っていたらはい終わり. そういう勉強では難関大学の入試を突破することはできない. 定義を正しく覚えること. 公式や定理の適用条件(適用限界)を正しく理解し運用すること. 別解を考え, 1問から多くのことを学ぶこと. 言い訳せずに勉強し続けられる人だけが挑戦できるレベルであることを理解してほしい.