高等部泉中央教室
仮分数を帯分数に直すこと,が数学Ⅲで生きてくる.
こんにちは,森山です.
初めて分数を勉強するのは,現行課程だと小学校2年生です.
分子<分母 となるような分数を真分数,
分子≧分母 となるような分数を仮分数と呼び,
仮分数を 整数+真分数 の形で表現した分数を帯分数と呼ぶわけです.
5/3という分数は仮分数であり,
これを帯分数に直すと 1+2/3 になりますね.
+はない形の方が一般的でしょうか.
中学数学では「多項式で割る」以外の文字式の取り扱い方を3年間かけて学び,
高校数学の「数学Ⅱ」でようやく「多項式で割る」計算を学びます.
理系の高校生だけが履修する「数学Ⅲ」という科目は,
現行課程は微積分と複素平面で構成されていますね.
新課程では複素平面は数学Cに移行するので,新課程の数学Ⅲは微積分だけです.
(微積分の定義のために極限もやりますが)
数学Ⅱでも微積分は習いますが,数学Ⅲでは専門的な微積分に足を踏み入れます.
中でも「積分」という単元がかなり厄介で,
数学Ⅱの積分と数学Ⅲの積分は全くの別物です.
数学Ⅲの積分は,小学算数からこれまでの12年間で学んだ内容を総動員しなければ
太刀打ちできないケースがほとんどです.
その一つが「仮分数を帯分数に直す」なのです.
例えば,(x+1)/x という分数は次数に注目すれば,
分母分子ともに1次式なので「仮分数」だと考えることができます.
仮分数は帯分数に直せるので, (x+1)/x = 1+1/x と変形できますね.
このような変形を数学Ⅲの積分ではしばしば要求されますし,
この変形をすることで,(x+1)/x という関数はxで積分することが可能になるわけです.
しかし,本質的な操作は小学算数で勉強した内容なのです.
理系の高校生で,数学Ⅲを学習しているみなさん.
数学Ⅲの積分は言わば小学算数からの総力戦です.
数学Ⅲを受験で使う予定の受験生は積分計算は十分に経験を積んで戦いましょう.
高等部泉中央校 森山 昇平