高等部泉中央教室
愛用しているキーボードが微妙な壊れ方をして,
悲しくなっている森山です.
テンキーが半分ほど動作しなくなりました……
数字の入力時にテンキーを愛用しているので,
絶妙にストレスを感じています……(血圧が上がる音
さて,今日は「公式」についてです.
数学の世界で「公式」とは「数式で表現されている定理」のことです.
いくつ思いつくでしょうか?
例えば,三角形の面積公式
\( 底辺 \times 高さ \times \dfrac{1}{2} \),\( \dfrac{1}{2}ab \sin \theta \),\( \dfrac{1}{2} \sqrt{ \vert \overrightarrow{a} \vert ^2 \vert \overrightarrow{b} \vert ^2 – ( \overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b} )^2} \)
とか,
2次方程式 \( ax^2+bx+c=0 \) の解の公式
\( x=\dfrac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a} \) とか,
直線 \( ax+by+c=0 \) と点 \( (x_0,\,y_0) \) との距離
\( \dfrac{\vert ax_0+by_0+c \vert}{\sqrt{a^2+b^2}}\) とか.
数学の問題を解く上で「公式」と呼ばれるものが必要になる場面は多々あります.
そのために「公式」を頑張って暗記する…という勉強も散見されますね.
しかし,そういう勉強は,
「理屈が良くわかっていないけど,公式を暗記すれば問題が解ける」という
態度を助長している気がするのです.
例えば,\( n \) を自然数として,\( f(x)=x^n \) という関数を考えましょう.
このとき,\(f(x)\) の導関数 \(f'(x)\) は \(f'(x)=nx^{n-1}\) と表されることを数学Ⅱで学習します.
この結論は導関数の定義 \( f'(x) = \displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h} \) から導かれます.
これを導くには二項定理も必要ですね.
しかし,毎回毎回定義に従って導関数を求めるのでは計算が億劫で仕方ありません.
だから,\(f(x)\) の導関数 \(f'(x)\) は \(f'(x)=nx^{n-1}\) と表されることを公式化して利用しています.
しかし,「毎回毎回定義に従って導関数を求めるのが億劫だから」という思想が無視されて,
\(f'(x)=nx^{n-1}\) という結論を丸暗記する……という人も少なくありません.
実際に導関数の定義 \( f'(x) = \displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h} \) に基づいて導出できる人は
文理問わずごく少数のように感じます.
私は「公式」という言葉が好きではありません.
公式が生まれた背景をしっかり理解する勉強は数学の実力を伸ばす上で重要だと考えています.
高等部泉中央校 森山 昇平